民法第1043条(遺留分を算定するための財産の価額)
1 遺留分を算定するための財産の価額は、被相続人が相続開始の時に有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加えた額から債務の全額を控除した額とする。
2 条件付の権利又は存続期間の不確定な権利は、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従って、その価格を定める。
民法第1044条
1 贈与は、相続前の1年間にしたものに限り、前条の規定によりその価額を算入する。当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、1年前の日より前にしたものについても、同様とする。
2 第904条(特別受益にあたる贈与財産が滅失等で価格に変動があった場合でも、相続開始の時に現状のままであったとみなして評価)の規定は、前項に規定する贈与の価額についても準用する。
3 相続人に対する贈与についての第1項の規定の適用については、同項中「1年」とあるのは「10年」と、「価額」とあるのは「価額(婚姻若しくは養子縁組のため生計の資本として受けた贈与の価額に限る。)」とする。
民法第1045条
1 負担付贈与がされた場合における第1043条第1項に規定する贈与した財産の価額は、その目的の価額から負担の価額を控除した額とする。
2 不相当な対価を持ってした有償行為は、当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知ってしたものに限り、当該対価を負担の価額とする負担付贈与とみなす。
民法第1046条(遺留分侵害額の請求)
条文省略※遺留分の金銭債権化、遺留分侵害額請求権のページを参照
民法第1047条(受遺者又は受贈者の負担額)
1 受遺者又は受贈者は、次の各号に定めるところに従い、遺贈(特定財産承継遺言による財産の承継又は相続分の指定による財産の取得を含む。以下この章において同じ。)又は贈与(遺留分を算定するための財産の価額に算入されるものに限る。以下この章において同じ。)の目的の価額(受遺者又は受贈者が相続人である場合にあっては、当該価額から第1042条《自分の遺留分割合》の規定による遺留分として当該相続人が受けるべき額を控除した額)を限度として、遺留分侵害額を負担する。
@ 受遺者と受贈者があるときは、受遺者が先に負担する。
A 受遺者が複数あるとき、又は受贈者が複数ある場合においてその贈与が同時にされたものであるときは、受遺者又は受贈者がその目的の価額の割合に応じて負担する。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。
B 受贈者が複数あるとき(前号に規定する場合を除く。)は、後の贈与に係る受贈者から順次前の贈与に係る受贈者が負担する。
2 第904条、第1043条第2項及び第1045条の規定は、前項に規定する遺贈又は贈与の目的の価額について準用する。
3 前条第1項の請求を受けた受遺者又は受贈者は、遺留分権利者承継債務について弁済その他の債務を消滅させる行為をしたときは、消滅した債務の額において遺留分権利者に対する意思表示によって第1項の規定により負担する債務を消滅させることができる。この場合において、当該行為によって遺留分権利者に対して取得した求償権は、消滅した当該債務の額の限度において消滅する。
4 受遺者又は受贈者の無資力によって生じた損失は、遺留分権利者の負担に帰する。
5 裁判所は、受遺者又は受贈者の請求により、第1項の規定により負担する債務の全部又は一部の支払につき相当の期限を許与することができる。
〒824-0031
福岡県行橋市西宮市四丁目16番23号
TEL 0930-22-4223
FAX 0930-22-5263
業務時間:平日09:00〜17:00